“体力”と上手く向き合うコツ

特集 2023/01/07 72 views

kenko ISLAND63号「体力 免疫 強い身体」では、「体力ってそもそも何?」という話をはじめ、体力アップのためのワークアウトや体力と免疫力をサポートするレシピを掲載しています。ここでは誌面には載せきれなかった荒川先生の考える体力維持・体力づくりについて紹介します。

荒川雅志先生

国立大学法人琉球大学 国際地域創造学部/観光科学研究科 教授。医学博士。1999年に沖縄に移住し、2012年に最年少で観光産業科学部教授になる。主に長寿者のライフスタイル、沖縄健康長寿素材の研究を行う。全米でベストセラーとなったビジネス書「ブルーゾーン・世界100歳人に学ぶ健康と長寿9つのルール」の翻訳と監修を担当し、11月から発売中。
http://health-tourism.skr.u-ryukyu.ac.jp/

意外と知らない体力の基礎知識

まずは、誌面でも紹介した体力の基礎知識について教えてもらいました。

「体力は大きく分けて2つあります。運動をするための体力は『行動体力』といい、主に筋力、瞬発力、持久性など身体的な要素のことをいいます。これが、一般的な体力のイメージですね。一方で、健康に生活するための体力は『防衛体力』といい、感染症などの病気に対する免疫のことを指すほか、意欲や集中力、ストレスへの抵抗力などの要素が含まれています」。

体力がつくことで、身体や心に具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。

「体力がつくと、身体的には持久力がついて疲れにくくなったり、免疫力が上がって風邪をひきにくくなります。また、前述の通り意欲や集中力も上がるので、行動パフォーマンスがアップし、自信を持てるようになる人が多いです。自信がつくことで、日常生活が活発的になり、考え方もポジティブにあるので、QOL(Quality of Life/生活の質)があがります」。

運動と意気込むのではなく「生活体力」のアップを目指して

私達が日常生活を送るなかで大切な体力ですが、20代から少しずつ、加齢とともに落ちていってしまいます。残念ながら自然に回復することはありませんが、日々の過ごし方で体力を維持もしくはアップすることができます。

「私は体力の維持やアップには、“生活体力”を上げることが大切だと考えています。これは長寿者の研究をしている時に気づいたのですが、健康長寿の方って、不便な環境で生活していることが多いんです。例えば、階段の上り降りが多かったり、買い物をするために歩いてスーパーに行く、洗濯は乾燥機じゃなくて自分で干すなど、無意識に身体を動かしている。もちろん、それぞれにあったライフスタイルがありますが、『運動しなくちゃ』と意気込みすぎずに、日常のなかで身体を動かす機会を増やすべきだと思います。運動は習慣化させることが、とても大切ですから」。

さらに荒川先生によると、防衛体力は、生活する環境が大きく関わってくるといいます。

「ストレスフルな環境にいると、ネガティブな考え方が増えて、疲れが溜まってしまいます。逆に、笑顔が多い環境だと気持ちも考え方もポジティブになれます。なので、仕事や趣味、人付き合いなど、生活スタイルが変われば、体力の変化にも影響するのです。運動もそうですが、楽しい、幸せと感じることが増えれば、体力アップにもつながります。今の生活によって、あなたの体力が作られているので、定期的に見直しを心がけて、積極的に新しいことにもチャレンジしてみてください」。