自己肯定感インタビュー vol.03 平安座 レナさん

kenko ISLAND60号、特集「自己肯定感の育て方」に関連した全4回のインタビューシリーズ。第3回は、アパレルブランド「HENZA」のデザイナー、平安座 レナさん。抜群の存在感を放つレナさんの自己肯定感とは?お話をうかがいました。

profile・平安座 レナ(へんざ れな)
26歳で自身でデザイナーを務めるアパレルブランド「HENZA」を立ち上げる。デザイナーとしてだけでなく、クリエイティブディレクター、モデルやインフルエンサーとしても活躍。

Instagram>>> @lena_henza
online store >>> https://henza.online/

学ぶことで得られる自由を知り、人見知りから社交的に

−いきなりですが、自分自身のことは好きですか?

好きです。友達みたいな感じ。俯瞰で見る自分と、主観で見る自分がいて、いつも自分のほかにもう一人の自分がいて、それぞれが友達みたいな感覚ですね。高校生くらいの時だったと思うんですが、自分が生きている意味とかを考えて、自分と向き合うことが多かったんですね。その時に自分の先祖のことも考えて。「私」がいまここにいるのは、両親、祖父母、先祖と、いろんな人の血が混ざり合ってのことだと思うんです。そうやって生まれてきたことを自覚したので、自分のことを嫌いと思うことはないですね。自分自身ではあるけれど、一人じゃないっていう気持ちがあるというか。先祖のDNAを引き継いでいるわけだから、そういう意味も含めて自分のことは好きですね。

−先祖のことまで考えたというのはすごいですね。

うちに家系図があって、それを見たら琉球王国の王族の末裔という話が出てきて。子どもの頃からそういった話を聞いていたので、自分のルーツをたどったときに、沖縄という場所が琉球だった時代に、国を司ることに携わっていたという部分があることが、もしかしたら今の自分につながっているのかもしれません。この話は父や兄に熱心に聞かされましたね。

−どんな子どもだったんですか?

小学校まではめっちゃ人見知りでしたね。人と目を合わせたくなかったし、そっぽばっかり向いていました。お父さんとお母さんにくっついていればいいと思っていたから、友達も別に作らなくていいやって。でも実際に小学校に入って、数字やひらがな、漢字を勉強するようになったらすごく楽しくて勉強が大好きになって。自分の成長が感じられる感覚があったんだと思う。それから友達を作ることも楽しくなって、どんどん人が変わったように社交的になったかもしれない。「生きているって楽しい!」みたいな。自由を感じられたのかもしれないですね。

親に勉強しなさいと言われたことも一回もなくて。でも、一度、小学校3年生のときだったかな。夏休みの宿題をまったくしないで9月になったんですよ。それで、真っ白のままの宿題を持って学校に行ったら当たり前だけど先生に怒られて。家に持って帰って親に言ったら「あなたがやらなかったから怒られたんだよ」って。両親ともいつでも「あんたのやりたいことを自分でやりなさい。幸せに生きていければいいよ」という姿勢で、私がやることに口出しすることはないけれど、だからこそ自分の行動に責任を持つっていうことを自然と覚えたかもしれません。

やりたいことはすぐに行動。「今」を逃さない

−自己分析をした場合、自分の良いところ、悪いところについてはどうですか?

良いところは、すぐに行動するところ。自覚してなかったんですが、よくみんなに「なんでこんなに行動できるの?」ってよく聞かれるようになって、逆に「みんなしないの?」って思ったんですよ。それで「あぁ、これは自分のいいところなんだな」って気づいた感じです。正直なところ、やりたいのにできないという感覚が分からなくて、やりたいと思ったらもう行動を起こしちゃっているんですね。チャンスがあればすぐ掴まないと、今逃してしまったら次はないと思うことが多いからかもしれません。

悪いところもいっぱいありますよ。自分に負けちゃうところとか。直感的に行動しても、もっと努力が必要だったのに甘えが出て80%くらいしか頑張れなくて目標に対してやりきれなかったとかはあります。意思が中途半端になってしまった場合は、もう一度目標設定をして、例えば1ヶ月後に自分はこうなりたいというのを書いて、常に見えるところに置きますね。

−26歳で自分のブランドを立ち上げられましたが、ずっと夢として持ち続けていたのでしょうか?

母がミシンを教える免許を持っていたので、5歳くらいから教えてもらってポーチを作ったりしていましたね。中学生くらいから洋服やファッションに興味が出てきて、スカーフでトップスやスカートを作ったりし始めるうちに、ちゃんと作る仕組みを勉強したいと思うようになって、東京の文化服装学院に通いました。

もともとはニューヨークにある有名な服飾デザイナーを排出する学校に通いたいと思って、英語の勉強もしていたんですが、アメリカに行くことを両親がとても心配して、私自身も学びたいのは言語ではなく洋服だなと思ったので東京の学校に決めました。常に自分は何をやりたい、どうありたいっていうのを考えているので、学校卒業後に自分のブランドを立ち上げるのも自然の流れだったと思います。

−壁にぶつかることはありませんでしたか?

あったかもしれないけど、覚えていない(笑)。もちろんあるんですけど、すぐに次の行動をしちゃうので勢いで忘れてしまうのかも。でも、何かモヤモヤしたことがあったら紙に書き出して、なんでモヤモヤしているかを考えるんですね。どうでもいいけどって思うようなことも、とりあえず書きます。そうしないと色んなモヤモヤが蓄積されていくから。その中で、自分じゃ解決できないっていうものはペケをつけてそれでおしまい。この作業だけでスッキリするんですよ。モヤモヤしているのが、自分で解決できることなのかどうかを分別できるので、この作業で自分と対話しているのかもしれないです。

−自分はダメだなって思うことはありますか?

ダメとは思わないけど、怠けている時っていうのはありますね。そういう時は自分で自分のお尻を叩く(笑)。自分が決めて自分でやるとうのは、言ってみれば自分との約束。これは「自分のことを好きか」ということに絶対につながる部分だと思います。だからもしも一生サボり続けてしまったら、絶対に自分のことを嫌いになってしまうと思う。だってそれは自分に対して背いたことしているわけだから。周りの人に対して約束を守るのと同じように、自分に対しても約束を守ることは、自分への信頼や信用を築くことだと思うんですよね。

人生って一回きりで後戻りできないから、いつも「今だ!走れー!!」って感じ。何かをする時に、みんな「こんな風になってしまったらどうしよう」って言ったりするけど、「やってみないとそんな問題も出てこないよ!」って思います。「今やってもいないのにその問題を解決しようと思ってもできないさ!」って。「やることやるしかないっしょ!」って思いますね。

▷自己肯定感インタビュー第1回のHY 仲宗根 泉さんのインタビューはこちら
▷自己肯定感インタビュー第2回のくだか まりさんのインタビューはこちら
▷自己肯定感インタビュー第4回の猪瀬 康介 さんのインタビューはこちら

自己肯定感インタビュー vol.02 くだか まり さん

kenko ISLAND60号の特集「自己肯定感の育て方」でのインタビューに関連して、誌面では書ききれなかった内容を4回シリーズでお届けします。

第2回はラジオパーソナリティやタレント、モデルなど、幅広い活躍をされているくだかまり さん。いつでもハッピーオーラ全開で、会う人みんなを笑顔にしてくれるくだかさんに、自己肯定感についてお話をうかがいました。

profile・くだか まり
沖縄県うるま市出身。ウチナーンチュの父とスペイン人の母のもとに生まれる。RBC iラジオ「Music Shower Plus+」、FMうるま「チロンチロンぴーなラジオ」のラジオパーソナリティーを務める。登山、マリンスポーツ、旅、アロマ、旅をこよなく愛する。

Twitter >>> https://twitter.com/happylovemari
オフィシャルサイト>>>https://mari.hube.jp/

実は不幸?幸せの鍵は自分にある

―いつも笑顔で楽しそうにしている印象がありますが、その秘訣とは?

よく他の人から「まりはいつでも幸せそうだから、まりになりたい」って言われるんですね。でも、たぶん、実際になってみたら「めっちゃ不幸じゃん」って思うかもしれない(笑)。私、実は死にかけた経験が本当に多くて(笑)。事故や病気や強盗や、そういう出来事に本当によく遭っていて、一度は走馬灯を見てしまって。でもね、その時に見えたのはごく普通の日常だったの。走馬灯って、人生の中でもすごく印象的なシーンを思い出すのかなって思っていたんだけど、その時に見えたのは、家族でテレビを見ながらごはんを食べているところで。その時に「あぁ。自分にとって大切なのはこういうことなんだ」ってわかるようになった気がします。

―すごい経験をされたんですね・・・。

何度も死にかけているのに、今もこうやって生きているのは意味があるんだとも思うようになりました。そう思うきっかけをもらったという意味ではありがたかったのかも(笑)。命がけなんですけどね。でも、立て続けに事故に遭ったときも「事故には遭ったけど、怪我もしていないし、誰かを怪我させてしまうこともなかったからラッキーだな」って思うんですよ。それに本当に死にそうな時もいつでも「幸せだったな」って思う。お父さんやお母さんに「産んでくれてありがとうって言っておけばよかった」って思うことはあったから、思っていることは今伝えないとダメだなと思って、それからはますますきちんと伝えるようになりました。

―子どもの頃から今と同じような考え方ができていたんですか?

そうだと思います。私はお母さんがスペイン人なので愛情表現はすごいんですね。だから好きなものやいいものに対して言葉に出して言うのは、お母さんの影響もあるかもしれない。子どもの頃、両親が私を叱るときに単に「ダメ!」っていう叱り方をされたことはなかったですね。何時間かけてでも、どうしてこれがダメなのかっていう理由を話してくれた。何かをするときに、「これをやったら怒られるからやめておこう」っていう考えにならないようにしてくれたんですよね。自分で理由を理解できるようにしてくれたことは、すごく良かったと思います。

―失敗して自己嫌悪に陥ったり、めげることはないんでしょうか?

めげる・・・。めげるっていう発想がなかったかも(笑)!

失敗したり間違ったりすることが子どもの頃から全然怖くなくて。だって、人間だから間違えるのは当たり前でしょう?って思うから。「ロボットじゃなくて人間だからミスはもちろんあるでしょう?人間らしいね」って思うかも。自分がこんな考え方だから、人のミスに対しても怒ることはあんまりないですね。

例えば、誰かがイライラしていて自分に当られたとしても、相手の立場に立ってみて状況を客観的に見たら「あぁ、それはイライラするよね」って思ったりするかも。だからと言って当たっていいわけじゃないんですけど。ただ、本当に理解できないことをする人に対しては断固として怒ります!ダメなことに関してはきちんとダメ!って言いますね。

すべて巡り合わせ。何事にも愛を持って

―これまでに仕事で辛いこと、乗り越えられなかったということはありませんか?

実は私は仕事で「どうしてもこれがやりたい!」って思った経験がなかったのかもしれないです。基本的にやりたいことはやりたい、ってハッキリいうし、実際に行動に移すんですが、仕事に関しては、ご縁かなと。

今まで何度も死にそうな目に遭って思うようになったことなんですが、自分が生きているのは、何か人のためにやるべきことがあるからだなって。だから、必要なものは自然と自分のところにやって来るし、自分がやりたくてもできなかったことは、縁がなかったんだなと思います。オリオンのキャンペーンガールに選ばれたのも、スペイン留学をしていて、夏休みに帰ってきたときに同級生に誘われて行ったのがきっかけで。行くまでそれがどんなものかも分からずにいました。でも、それが今の仕事にもつながることになっていたり。ラジオの仕事も、自分はそれまでラジオ自体をあまり聞いたことがないくらいだったんです。でもお話をいただいて引き受けたことで今まで続いて、かれこれもう10年近くになります。最初から緊張することもなかったのは、そもそもラジオをほぼ聞いたことがなかったから、どれが正解かもわからなかったからかも(笑)。

―人からどう見られるかも気にならない・・?

全然気にならないですね。他の人が自分を見るのは、その瞬間その瞬間だけじゃないですか。すべての私を見ているわけじゃないから。でも、自分はいつでも自分と一緒。だから好きになる行動をしたいなって思います。自分のことは好き!って自信を持って言えるのは、自分自信で嫌だと思うことは改善できると思うからなんですね。こういうと意志が強いように聞こえるかもしれないんですが、例えば「断食しよう!」って決めても食べちゃったりするところはあんまり好きじゃないけど、でも、「それも人間らしくていいか」って考えることができたり、「物忘れがひどくなってきたなー」って思っても、「それも面白いしおかしいね」って考えたり。自分がどうしたいか、どう感じるかを一番に考えますね。

―最後に、生きる上で一番大切にしていることを教えてください

以前、坐禅体験をして『みんなで好きな言葉を色紙に書こう』という機会があったんです。みんなそれぞれどんな素敵な言葉を書いてるんだろうな〜って、離れたところから眺めながら自分でも考えていたら、私の頭に浮かんだのは『愛』だったんですね。みんなが書いてる言葉に、愛が入るとより輝くし、響くものになるなぁって。愛は恋愛ということだけじゃなくて、大きな意味で何事に対しても言えることだと思うんです。だから何をするのにも、言うのにも、やっぱり愛を入れたい。いつもそう思っています。

▷自己肯定感インタビュー第1回のHY 仲宗根 泉 さんのインタビューはこちら
▷自己肯定感インタビュー第3回の平安座 レナ さんのインタビューはこちら
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