ストレスとは?原因・症状・対処法を専門家に聞いてみた【Q&A】

ココロ 2026/11/02 12 views

 なんとなく分かっているようで、意外と知らないことも多い「ストレス」。今回は、ストレスの仕組みや日常での対処法について、沖縄国際大学の上田幸彦先生に聞いてみました。

Q1 ストレスって、そもそも何ですか?

 ストレスとは、外部からの刺激によって心身に負担が生じた状態のこと。原因となる出来事や刺激を「ストレッサー」、その結果として心や身体、行動に現れる変化を「ストレス反応」といい、これらを含めて一般的に「ストレス」と呼ばれています。

Q2 ストレスは全部、悪いものですか?

 ストレスが生じること自体が、すべて悪いわけではありません。一時的にストレスを感じても、うまく対処して乗り越えられた経験は、次に新たな問題に直面したときに活かされることもあります。悪いものと捉えるよりも、ストレッサーに対し、「どう対処するか」を身につけていくことが大切です。一方で、注意したいのはストレス反応が長く続くこと。ストレスによる心身への影響が長引くとうつなどの病気につながる可能性があります。

Q3 結婚や出産など、うれしいこともストレスになるんですか?

 なります。ストレスの原因を考えるうえでのキーワードの一つが、さまざまな「変化」。結婚や出産、昇進、引っ越しなどは喜ばしい出来事でも、生活や役割が変わり、新しい状況への適応を求められます。「良いことだからストレスではない」とは限らず、さまざまな変化がストレッサーになりえるのです。

Q4 同じ出来事でも、ストレスを感じる人と感じない人がいるのはなぜ?

 同じ出来事でもストレスの感じ方が違うのは、その出来事をどう受け止めるかという「認知の仕方」が人によって異なるから。これまでの経験や身についた考え方などによって、同じ出来事でも「大変だ」と感じる人もいれば、「なんとかできそう」と捉える人もいます。さらに、自分で対処できそうか、相談できる人がいるかどうかといった判断も、ストレス反応の大きさに関係します。

Q5 “ストレスに強い人”ってどんな人?

 ストレスへの強さに関係するのは「認知の仕方」と「対処法」。一つの考え方にとらわれず、別の見方や、ものごとを幅広く捉えられることに加え、ストレス対処法をできるだけ多く持ち、状況に応じて柔軟に使い分けられることが大切です。こうした力は生まれつき決まっているものではなく、身につけて高めていくこともできます。

Q6 完璧主義の人はストレスを感じやすい?

 完璧主義の人は、ストレスを感じやすくなることがあります。上田先生によると、ストレス反応を生じさせやすい考え方の例として、完璧主義や「こうあるべき」「こうするべき」といった「べき思考」があるそう。完璧主義は「0か100か」で判断する「白黒思考」とも呼ばれ、一つの考え方にとらわれやすくなります。別の見方がないか考え、考え方の幅を広げていくことも大切です。

Q7 緊張している方が集中できるって本当?

 必ずしもそうではありません。緊張で交感神経がすぎると、注意が分散しやすくなることがあります。上田先生によると、集中しやすいのは「リラックスしているけれど、脳はしっかり覚醒している」状態。緊張して興奮している状態と、頭が冴えている状態は同じではないのです。
リラックスして頭が冴えている状態に近づけるための日常的な訓練方法として、効果が科学的にも証明されているのがマインドフルネス瞑想です。
座って背筋を伸ばし、自分の腹式呼吸に意識を集中する基本練習を続けながら、日常生活の中で「今行っていること」にリラックスして集中する応用練習をやるようにします。これらを継続することで、日常生活のあらゆることに脳が最も覚醒した状態(集中している状態)で取り組めるようになります。

Q8 自分に合うストレス解消法は、どうやって見つける?

 まずは数ある解消法を試してみることが大事。気になる方法を実践したら、その後、自分の感情がどう変わったかをモニタリングしてみましょう。例えば「イライラ80点」だったものが、散歩の後に「50点」になった、というように点数をつけるのも一つの方法。気分の変化を客観視することで、自分に合う解消法を見つけやすくなります。

Q9 ストレスへの対処は、気分転換だけではダメなこともありますか?

 ストレスへの対処法には、「問題焦点型コーピング」と「情動焦点型コーピング」があります。問題焦点型は、ストレッサーそのものを減らしたり、解決したりする方法。情動焦点型は、カラオケや散歩などで気分転換をして、不安や落ち込みなどのつらい気持ちを和らげる方法です。例えば、仕事のミスなら、気分転換だけでなく原因を振り返り、再発を防ぐこと(問題焦点型)も必要。状況に応じて、両方を使い分けることが大切です。

Q10 睡眠でストレス状態がわかるって本当?

 睡眠は、自分のストレス状態に気づくためのバロメーターの一つです。特に意識したいのは「寝つきの良さ」と「朝起きた時の感覚」。睡眠時間だけを見るのではなく、「以前より寝つきにくくなった」「朝すっきり起きられなくなった」など、いつもの自分との違いに気づくことです。

Q11 ストレスを感じると、なぜ身体に症状が出るの?

 強いストレスを「脅威」と感じると、身体は自分を守るためのモードに切り替わります。上田先生によると、これは昔なら猛獣から逃げたり、戦ったりするときのような“戦闘モード”。交感神経が高まり、心拍数が上がったり、筋肉が緊張したりします。本来は身を守るための反応ですが、この状態が長く続くと、睡眠など心身への負担につながっていきます。

Q12 SNSやスマホもストレスの原因になりますか?

 なりえます。現代の若い世代や働き盛り世代に特徴的なストレッサーの一つが、SNSやスマホによるもの。LINEなどで連絡が来るたびに反応したり、SNSから他人の情報が次々に入ってきたりと、自分ではコントロールしにくい面もあるはず。情報をすべて遮断するのは難しいからこそ、スマホから物理的に離れる時間をつくるなど、情報との距離を自分で調整することも大切です。

Q13 ストレス解消のための飲酒やゲームはアリ?

 一時的に嫌な気分が和らぐことはありますが、頼りすぎには注意が必要。飲酒や喫煙、むちゃ食い、ゲームなど、健康への影響や依存につながる可能性がある方法をストレス対処として続けることは避けたいもの。一つの方法だけに頼らず、別のストレス解消法も持っておきましょう。

Q14 頑張った自分にご褒美をあげるのもストレス対策?

 ご褒美は立派なストレス対策です。他人にねぎらいの言葉をかけることができても、自分にはなかなかできない人も多いもの。ですが、自分で自分を褒めることはとても大事で、「頑張ったね」「偉いね」と声をかけたり、頑張った後に好きなものを楽しんだりするのも一つの方法です。自分自身に思いやりを向けることを「セルフコンパッション」といい、自分をねぎらうことも、ストレス対策になります。

Q15 どのくらい辛くなったら、専門家に相談した方がいい?

 ストレスへの対処を試しても不調が改善しない、眠れない状態などが長く続いている場合は、専門家へ相談することも考えてみましょう。まずは、自分にどんなストレス反応が出ているかを確認したり、厚生労働省のストレスチェックを利用することも一つの目安になります。

5分でできる職場のストレスセルフチェック(こころの耳)
https://kokoro.mhlw.go.jp/check/


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監修: 上田幸彦先生

沖縄国際大学総合文化学部教授。公認心理師、臨床心理士。臨床心理学や認知行動療法を専門とし、ストレス・マネジメントの教育・研究にも携わる。
https://www.okiu.ac.jp/gakubu/sogobunka/teacher/ueda
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