目のケアや健康維持に大切な栄養とは?

「目の疲れ」をテーマに、疲れの原因や予防・改善方法などを紹介した58号。恒例のレシピページでは、目の疲れ予防だけでなく、おいしくて元気になる、そして簡単に作れる料理を管理栄養士の高良江里奈さんに教えてもらいました。この記事では、紹介したレシピの中から目のケア以外にも期待できる栄養のポイントをお伝えします!

βカロテンたっぷりキンパ

彩りキンパ

彩り華やかなキンパに使われる小松菜やにんじんなどの野菜には、βカロテンがたっぷりと含まれています。βカロテンは、体や細胞の老化を防ぐ抗酸化作用があり、ストレスを受けやすい現代人にとって大事な栄養素の一つと言われています。
また、ビタミンAに変わる性質があり、目や口などの粘膜や皮膚の健康、視力の維持などに関わる働きをします。ただし、ビタミンAは毎日過剰にとると健康障害を起こすことがあるそう。なので、βカロテンを含む野菜を選ぶようにすることで、必要以上にビタミンAをとるのを防げるのでおすすめです。

中医薬膳指導員の資格を持つ高良さんによると、にんじんは目の健康に良いと言われているそうです。これは、「以臓補臓(いぞうほぞう)」といい、臓器や体の部位の形に似ている食材を食べると、その部分の機能や栄養などを補ってくれるという薬膳の考えに基づくもの。
キンパは作り方がシンプルな上、野菜が苦手な人でも食べやすくておすすめです。

食べ応え抜群!ポリ袋を使った簡単つくね

枝豆コーンのつくね

枝豆やコーンの食感が楽しめるつくねには、疲労回復ビタミンとも呼ばれるビタミンB1が豊富な枝豆や豚肉が使われています。特に、枝豆(大豆類)には、視神経の働きを助けたり充血や目の疲れを改善すると言われるビタミンB1やB2が多く含まれています。また、目の疲れに限らず、体の疲れを癒すにはタンパク質も大切。つくねは卵黄と合わせることで、さらに良質なタンパク質をとることができます。

また、「豆乳を使ったじゃがいものポタージュ」も同様に、大豆のビタミンB群が含まれていることや、じゃがいもに含まれるビタミンCは、ストレスや風邪に対する抵抗力をアップしたり毛細血管や歯などの健康を正常に保つ働きがあるといわれています。
ミキサーがなくても鍋でコトコトと煮ることでポタージュっぽくなるので、家にある調理器具で作ることができます。

玉ねぎとじゃがいもの簡単ポタージュ

抗酸化作用のある食材も欠かさずとりたい!

アボカドと豆腐サラダ

今回紹介したレシピの中でも、抗酸化作用のある食材がいくつか登場しました。抗酸化作用とは、老化や動脈硬化、がんなどの原因になると言われる「活性酸素」を防いでくれるもので、アンチエイジングの観点からも注目されています。老化を防いで、疲れを溜めにくくしてくれるので、お仕事などで忙しい人や、健康的な体づくりをしたい人には大切な要素の一つです。

抗酸化作用のある栄養素は、にんじんや小松菜に含まれるβカロテン、アボカドに含まれるルテイン、トマトに含まれるリコピン、ブルーベリーに含まれるアントシアニンなど様々。上で紹介したビタミンCも抗酸化作用が認められていて、特にフルーツや色の濃い緑黄色野菜に多く含まれています。

シンプルで簡単に作れる「アボカドと豆腐サラダ」や「山芋ふわふわ焼き」、「ブルーベリーのヨーグルトシャーベット」は、食事のプラス一品や、栄養のとれるおやつとしてもGOOD。ぜひ試してみてください。

意外と知らない、メガネやコンタクトレンズとの付き合い方

パソコンやスマホなど、日常生活ではなにかと目を酷使することが多く、目の疲労を感じている人もいるのではないでしょうか。3月1日に発行された「kenko ISLAND58号」では、疲れ目や、症状が首や肩などの目以外にも及ぶ眼精疲労をテーマに、予防法やレシピ、ヨガなどを紹介しています。

今回、監修していただいた外間眼科医院の外間英之医師によると、近頃、疲れ目や眼精疲労の他にも、視力が低下している人が増えており、特に小さなお子さんの近視が増加している傾向にあるそう。要因はさまざまありますが、おうち時間でスマホやゲームをする機会が増えたことも、子どもの視力低下に影響しているのではと外間先生は話します。そこで、視力低下と関連して、子どもから大人まで多くの人が使うメガネやコンタクトレンズとの付き合い方について、先生に教えていただきました。

自分に合わないメガネやコンタクトをつけていない?

メガネやコンタクトレンズを長時間つけると、頭痛や肩こり、吐き気などといった体の不調が出るという人はいませんか?その症状、実は使っているメガネやコンタクトレンズが自分に合っていないことが原因となっている場合があります。外間医師によると、そもそも人間の目は形や大きさにより見やすい距離が異なりますが、近くを見るときは、ピントを調節する目の毛様体筋が緊張し、目の中のレンズを分厚くしているのだそう。そのため、パソコンやスマホなど近くでものを見る状態が長時間続くと、毛様体筋は緊張しっぱなしの状態となり、様々な疲れ目の症状を引き起こしてしまいます。ピントを調整する力が弱まっている老視(老眼)の人は、メガネやコンタクトレンズを使うことでピント調節を手助けすることになるのでものが見やすくなるのですが、自分の目に合わないメガネを使い続けることで、正しくピントを合わせることができず、ますます疲れ目の状態が悪化してしまうと言われています。

過矯正ってなに?

メガネやコンタクトレンズを作るとき、自分の視力に合わせて遠くまではっきりと見えるものが良いと思われがちですが、実はそうではないんです。遠くがしっかりと見えるように視力を合わせたもので、パソコンなど近くのものを見続けると、目はピントを合わせるために必要以上に頑張りすぎてしまい、疲れ目や眼精疲労を引き起こしてしまいます。このような「過矯正」の状態となっている人は実は多いと言われています。まずは、定期的に眼科で視力や目の状態を診てもらい、メガネやコンタクトレンズが今の自分に合っているか確認することが大切です。

メガネやコンタクト、どんなものが自分に合っている?

では、自分に合ったメガネとはどんなものなのでしょうか?ポイントは、遠くがはっきりと見えるように矯正するのではなく、「長時間運転することが多い」、「デスクワークでパソコン作業が多い」など、自分の生活に合わせたメガネやコンタクトレンズを作るということ。眼科医や眼鏡士と相談し、場合によっては運転用、デスクワーク用とメガネを分けて作るケースもあります。

また、度数だけでなく、目とレンズの距離、レンズの大きさ、メガネの形なども考慮し、自分の顔の形や目の大きさに合ったものを選ぶことが大事です。そうすることで、目に余計な負担をかけずにすむ上、見るときの快適さを助けてくれます。

早めの対策が吉

メガネやコンタクトレンズの使用以外にも、目の疲れやちょっとした目の不調は、なんとなくそのままにしてしまう人も多いかもしれません。ですが目の不調が続くと、集中力が低下したり、仕事がスムーズに進まないなどの支障が出るだけでなく、その症状の裏にひそんでいる病気の発見が遅れてしまうことも。目が乾く、かすむなどといったドライアイをはじめ、見え方に異常を感じたり、少しでも気になる症状があれば眼科を受診するサインです。

「kenko ISLAND 58号」では、目の疲労度チェックをはじめ、目に関する知識や、疲れ対策レシピ、ヨガなどを紹介しています。この機会に、読んでみてください。

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