沖縄に多い、アタマジラミに要注意

 人の頭髪に寄生して、吸血することで頭皮のかゆみや湿疹などを引き起こすアタマジラミ。沖縄県内でも通年発生していますが、実は治療薬が効かない「抵抗性」のアタマジラミが大流行しています。この記事では、アタマジラミの特徴や治療法について、皮膚科医でアタマジラミの治療・研究を行なっている山口さやか先生に教えてもらいました。

アタマジラミの特徴や駆除法とは? 

 そもそもアタマジラミとは、髪の毛に寄生する寄生虫の一種。成虫は2〜3ミリほどの大きさで、寿命は1ヶ月ほど。メスは100個もの卵を髪の毛に産みつけます。髪の毛同士が触れれば簡単にうつるので、頭をくっつけて遊んだり、昼寝やお泊まり保育などがある保育園に通う園児や小学校低学年の児童などを中心に子どもたちの間で集団発生します。また、季節に関係なく年中発生するのが特徴で、子どもだけでなく、その子どもと生活を共にする大人でも感染します。
 自覚症状は、寄生初期の子どもの場合はほとんどなく、寄生する数が増えると次第に痒がるようになることが多いほか、中には、頭皮をかきすぎて炎症を起こすケースもあります。
 治療方法は、アタマジラミ駆除薬の入った市販の専用シャンプーやローションを購入し、自宅で2週間ほど洗髪するのが一般的です。駆除薬は卵には効かないので、2日おきにシャンプーします。それ以外の方法は、頭髪の長い子どもは髪を短くしたり、専用のすきぐし(ブラシ)でこまめに髪をとき付着した卵を落とします。また、枕カバーやシーツなどは毎日洗うなどして、卵やシラミが増えにくい環境を作ることも大切です。炎症があるなど困ったことがあれば臆せずに皮膚科医に診てもらうことも重要です。

沖縄で流行しているアタマジラミとは?

沖縄で流行している抵抗性アタマジラミとはどのようなものなのでしょうか。
「沖縄県内では2000年ごろから治療専用のシャンプーを使用しても効果が出ない“抵抗性”のアタマジラミが流行しています。他県では抵抗性アタマジラミの検出は10%に満たないのですが、沖縄では95%と特に高く、その原因はわかっていません。県内には、治療用シャンプーを使用してもなかなか治らなくて困っている家庭が多いのではと心配しています」と山口先生。
 山口先生によると、アメリカですでに広く使用され、抵抗性シラミにも効果が確認されている新しい治療薬があるといい、日本国内でも保険診療で処方できるようにするための治験を、製薬会社と協力して進めています。現在、沖縄県限定で治験に協力いただける家庭を募集しているとのこと。
「シャンプーを使っても治らずお困りのご家庭は、ぜひ治験へのご協力をご検討ください。この治験で新しい薬が認可されれば、保険診療で処方できるようになります。現在、市販のシャンプーは3000円程度の自己負担が発生しますが、処方薬となれば中学生以下の医療費の自己負担は0円となり、保護者の負担や心配も解消できるはずです。沖縄の子どもたちはもちろん、未来の子どもたちをアタマジラミの感染症から守ることにつながります」と山口先生。
 アタマジラミは痒みがひどくなることで不眠につながることや、炎症部分から細菌による感染症を起こす可能性もあるので、早期発見と速やかな治療が必要です。お子さんの頭皮に卵がないかチェックすることや、困ったことがあれば皮膚科を受診しましょう。

■治験に関する情報はこちら

治験応募専用コールセンター:0120(907)902
https://www.searchmytrial.com/lp/headlice/?sid=2928&utm_source=offline&utm_medium=newspaper&utm_campaign=kk_headlice_202504


(アタマジラミの成虫 ※提供)
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監修   
琉球大学大学院医学研究科・皮膚科
山口さやか 先生
日々、さまざまな皮膚疾患の治療に携わる。専門は皮膚感染症。特に、アタマジラミの治療・開発に力を入れている。
https://hifuka.skr.u-ryukyu.ac.jp/

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食物アレルギーは、私たちにとって身近なアレルギーの一つですが、その原因が皮膚と密接に関連していることはご存知ですか? アレルギーとは、本来は無害な物質(アレルゲン)が体内に過剰に入ってきたことで、免疫系が過剰に反応した状態です。身体にとって害ではないものも異物と捉え、それを排除しようとする過程で「Ig E抗体」が作られ、かゆみや発疹などといったアレルギー症状を引き起こすのです。

従来、食物アレルギーは、アレルゲンが腸を通じて体内に入り、免疫系が異物と認識することで発症すると考えられていました。ですがこれに加えて、最近の研究では、皮膚のバリアが低下している部分からアレルゲンが侵入し、免疫系が反応する「経皮感作」も、食物アレルギーを引き起こすことがわかっています。

肌からアレルゲンが侵入するメカニズムとは?

皮膚からアレルゲンが侵入するメカニズムとは、どのようなものなのでしょうか。 実は、生後1年までの乳児は、免疫反応に関わる物質「IgE抗体」を体内にほとんど持っていない状態。大人よりも薄くて乾燥しやすい赤ちゃんの肌は、外部の刺激にとても敏感で、引っ掻き傷や乾燥によるかぶれなどでバリアが弱っている部分から、異物が体内に入ってしまい、免疫機能が反応することでIgE抗体がどんどん作られていきます。その量がある一定に達し、免疫機能がアレルゲンの情報を記憶すると、同じアレルゲンが体内に入った時に、アレルギー反応が起こってしまいます。
 これは、ある食べ物を食べているうちに、その食べ物に対してアレルギー反応を示すようになる「経口感作」とは違い、皮膚でアレルゲンと認識されたものが、後々食べ物として消化管へ入ると食物アレルギーを発症してしまうというものです。
 また、アレルゲンの侵入経路によって引き起こされるアレルギー症状は異なり、皮膚からアレルゲンが侵入すると、アトピー性皮膚炎が悪化する可能性があるほか、鼻からアレルゲンが入れば花粉症、気道に入れば気管支喘息を起こす可能性があります。

アレルギーの予防方法は?

空気中には、ほこりや花粉など、アレルゲンとなりうるさまざまなものが浮遊しています。ある研究によると、乳幼児期から肌をしっかりと保湿することで、保湿していない場合と比べてアトピー性皮膚炎の発症リスクが低下する可能性があると言われています。なので、幼いうちから肌を保湿して乾燥を防ぎ、バリア機能をキープしましょう。
 また、子どもだけでなく大人も、皮膚の湿疹などで肌のバリア機能が失われた状態ではアレルゲンが侵入してしまうことがあるので、日常的に保湿を心がけることが大切です。ただし、「とにかく保湿する」というよりは、保湿剤の使用量や使用頻度は、乾燥の程度に応じて適量を使用することがポイント。ベタつく、テカるなど、肌の油分が多い人は洗って油分量を減らし、保湿を。反対に、肌がかさつく、つっぱった感じがする人は保湿するなど、肌の状態を把握しながらケアしましょう。皮膚に異常がある場合は、必要に応じて皮膚科を受診しましょう。

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監修    
琉球大学大学院医学研究科・皮膚科
山口さやか 先生
日々、さまざまな皮膚疾患の治療に携わる。専門は皮膚感染症。特に、アタマジラミの治療・開発に力を入れている。
https://hifuka.skr.u-ryukyu.ac.jp/
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