「プロテイン」の選び方

栄養 2022/09/27 237 views

筋肉や肌、髪を構成する重要な栄養素であるタンパク質。近年、その重要性に注目が集まり、手軽に摂取できるプロテイン商品が数多く発売されています。「プロテインって健康のためには誰もがとった方がいいの?」「何を基準に選べばいい?」「摂取すべきタイミングは?」など、プロテイン商品の基礎知識を紹介します。

プロテインはどんな人に必要?またその種類は?

ドラッグストアやコンビニエンスストアへ行くと、たくさんの種類のプロテイン商品が並んでいますが、そもそもどんな人が何のために摂取する必要があるのか、管理栄養士の友利由希さんに聞いてみました。

「基本的にはサプリメントと同じと考えて良いと思います。毎日の食事で栄養バランスを考えて、食事からタンパク質がしっかりとれている人にとっては特に必要ありません。ただ、例えば三食は食べているけれど炭水化物に偏りがちでタンパク質不足だなと感じる人や、筋肉をつけることを強化したい人などは摂取しても良いと思います」とのこと。

プロテインの種類は、原料で大きく3つに分けられます。

まず一つ目は「ホエイ」。ヨーグルトの上澄みにできる液体のことで「乳清」とも呼ばれ、知っている人も多いかもしれません。牛乳を原料とし、吸収が早いのが特徴です。

二つ目は「カゼイン」。ホエイと同じく主な原料は牛乳で、生乳を構成するタンパク質の80%をこのカゼインが占めています。一つ目のホエイもカゼインも主原料は牛乳ですが、ホエイは牛乳から乳脂肪分やカゼインを取り除いたもので水溶性、カゼインは乳固形分が主要成分で不溶性。この違いから、カゼインは身体への吸収速度がゆっくりという特徴があります。

そして三つ目は「ソイ」。大豆を原料とした植物性のプロテインです。消化吸収のスピードはゆっくり。満腹感が続き、吸収されるまでに時間がかかり、プロテインを構成するアミノ酸を血液中に長時間維持させます。また、大豆には女性ホルモンに似た物質が入っていることもあり、美容効果が期待できるというメリットもあります。

選ぶポイントと飲むタイミング

友利さんによると、プロテインは原料の違いと、その吸収スピードの特徴をふまえて選ぶと良いとのこと。

カゼインとソイは摂取してから吸収されるまでの時間が長いので、満腹感が長く続きます。そのため、食事でタンパク質が足りないと感じた時や体型維持などを目的とした場合に良いでしょう。食事でタンパク質が足りていないと思った時は食後が摂取のタイミング。軽いトレーニングをした場合はトレーニング後に摂取するとトレーニングで損なわれたタンパク質をリカバリーすることができます。一方、ホエイは摂取後の吸収スピードが速いので、筋肉をつけたい人向け。筋トレをした後に摂取することで、筋肉の組織が破壊されたところへアミノ酸をすぐに補うことができ、筋肉量のアップを図ることができます。

プロテインの商品には、粉末状で水や牛乳などと混ぜて飲むもの、パックに入ったドリンク、ゼリー状でチューブタイプのパッケージに入っていてそのまま飲めるもの、そしてお菓子のように手軽に食べられるバータイプなどがあります。

味もプレーン、ココア、バナナなど、飲みやすさや食べやすさを重視しバラエティに富んでいるほか、プロテインでありながらその他の栄養素も摂取できる工夫がされているものも多数あります。味や値段も合わせて検討してみるのが良さそうです。

まずは自分に必要なタンパク質量を知ってから

プロテイン商品を食生活に取り入れる場合、まず知っておきたいのは自分にとって必要なタンパク質量。年齢や体重、一日の活動量から必要量を割り出せる、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」をもとに調べてみましょう。自動で計算してくれる便利なサイトを活用するのもおすすめです。

参考記事:身体に必要な基本の栄養素「P・F・C」を知る

身体を構成する重要な栄養素であるプロテインですが、覚えておきたいのはプロテイン商品を食べたり飲んだりしただけでは筋肉がつくわけではないということ。運動や摂取するタイミングなど、必要に応じて組み合わせることで効果的な身体づくりにつながります。また、「一食置き換え」などの商品もありますが、これはタンパク質を増やすというよりも摂取エネルギーを抑える意味合いが強いもの。それによってダイエット効果はあるかもしれませんが、健康な身体づくりという点においてはやはり栄養バランスを考えた食事をとる方がおすすめです。プロテイン商品は目的に合わせて取り入れるのはもちろんOKですが、あくまでもサポート的な役割であることを忘れずに。それぞれの特徴を理解して、上手に取り入れましょう。

※プロテイン商品にはプロテイン以外の栄養素が添加されていることもあります。それによりある栄養素を過剰摂取することになり健康被害を被る場合もあるので、食事を含めた適切な摂取量を守るようにしましょう。

監修:友利由希(管理栄養士、日本スポーツ協会公認スポーツ栄養士)