体幹の弱さが引き起こす不調とは?

「体幹」とは、頭と手足を除いた胴体全体のことで、筋肉だけでなく骨や関節なども含まれています。体幹は身体の動きや姿勢の土台となる重要な部分で、スポーツをする人だけでなく、全ての人にとって大事な役割を担っています。
この記事では、kenko ISLANDの72号「体幹ガチトレ」で紹介した内容をさらに深堀りし、体幹が弱くなることで起こりやすい腰痛や、スマホ使用による不調について、体幹を構成している筋肉や関節の視点から解説します。

実は若い世代にも増えている、腰痛

腰痛は「年齢によるもの」と思われがちですが、近年は若い世代でも悩む人が増えています。その原因の一つとして指摘されているのが、体幹部分の筋肉の弱さ。
運動不足によって体幹の筋肉が衰えると、正しく身体を支えられなくなり、姿勢が崩れやすくなります。その結果、腰などに負担がかかり、痛みにつながってしまうのです。
さらに、長時間のPC作業やスマホ操作による前かがみ姿勢や猫背も、腰痛リスクを高める大きな要因となります。

ロクト整形外科Azでトレーナーを務める比知屋裕樹先生は、腰痛が起こりやすい理由を次のように説明します。
「胴体は、背骨を中心に、胸のあたりはろっ骨で囲まれ、腰の下は骨盤で守られています。ただ、お腹まわりを支えている骨は背骨(腰椎)だけ。構造的に弱いため、負担が集中しやすいのです」
つまり腰は、骨だけで支えるには負担が大きく、
本来は筋肉が連動して、胴体を“筒”のように支える必要があるのです。

胴体を支える体幹の主な筋肉
理想的な姿勢では、次の筋肉が協力して働いています。
これらがうまく働かなくなると、腰椎まわりだけで身体を支える状態になり、腰痛を引き起こしやすくなります。※下図参照

・腹部の筋肉(腹直筋・腹斜筋・腹横筋)
・背面側の筋肉(脊柱起立筋、広背筋、僧帽筋)
・お腹の深部にあるインナーマッスル(腹横筋・横隔膜・多裂筋・骨盤底筋)

長時間のスマホ姿勢が体幹を弱らせる理由

PCやスマホを長時間使用する際、人は無意識に頭が前に出て、肩が内側に丸まり、ろっ骨が内側に閉じた姿勢になりがち。この姿勢が続くと、次のような問題が起こります。

① 筋肉のバランスが崩れる
腹筋群は縮こまり、背面側の筋肉は伸びきった状態に。どちらも本来の力を発揮できず、姿勢を保ちにくくなります。
② 呼吸が浅くなり、腹圧が保てない
ろっ骨が閉じた状態では横隔膜がうまく働かず、腹圧(お腹の内側の圧力)が低下。腹圧が保てないと、体幹が不安定になります。
③ 背骨まわりだけで姿勢を支えてしまう
腹横筋や多裂筋などの深層筋が使えないことで、腰椎周辺に負担が集中し、腰痛へとつながります。

体幹の筋肉の弱さは膝・股関節・肩にも影響する

体幹は上半身と下半身の力をスムーズにつなぐ中継点。
体幹が不安定だと、歩行時に膝が内側にねじれたり、股関節に余計な負担がかかったりします。さらに、肩がすくみやすくなり、首こりや肩こりが悪化するといった連鎖的な不調も起こりやすくなります。

腰痛や肩こりなどの不調を防ぐために大切なこととは?

体幹の筋肉を正しく使い、“固める”と“動かす”の両方の要素を取り入れた体幹トレーニングを習慣付けると、身体に負担のない姿勢をキープすることができます。比知屋先生に教わった大切なポイントは以下の2つです。
どちらか一方だけでは不十分で、両方を意識することが体幹強化の近道です。
● 体幹を固め、安定させる
深い呼吸をして深層筋を刺激するドローインの呼吸法や、お腹や背中まわりの筋肉を刺激するトレーニングで体幹を安定させる
● 関節の可動性を取り戻す
背骨の曲げ伸ばし、胸椎の回旋、肩甲骨の動きなどで、固まった関節を動かす

筋肉は20歳前後をピークに、使わなければ徐々に低下していきます。体幹も例外ではありません。しかし、体幹は意識して使えば、年齢に関係なく応えてくれる部分でもあります。
まずは呼吸を意識する「ドローイン」など、やさしい体幹トレーニングから始めてみましょう。kenko ISLAND「体幹ガチトレ」では、日常に取り入れやすい体幹トレーニングも紹介しているのでぜひご覧ください。

監修
比知屋 裕樹 先生

ロクト整形外科Az所属。トレーナーとして、スポーツでのケガをはじめとした整形外科疾患のリハビリ・治療サポートを行う。自身も身体を鍛えるスポーツマン。


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「kenko ISLANDレシピ料理」作ってみた! 〜25歳男子 料理初挑戦レポート〜

kenko ISLANDでは、毎号、料理習慣のない人でも手軽に作れるレシピを紹介してきましたが、「料理習慣のない人にとって本当に作りやすいのだろうか?!」ということを確かめるために、普段は料理習慣のない方に、実際にレシピの料理を作ってもらいました。さて、初めての「やってみた」企画。監修の先生のもと、初めての調理に挑戦する様子をレポートします。

今回の挑戦者&監修者は?まずは自己紹介

今回、挑戦するのはkenko ISLAND72号、特集「体幹ガチトレ」の中で紹介している「1日のタンパク質量完璧レシピ」。監修は、レシピを考案してくださったロクト整形外科クリニックの管理栄養士、田島隆次さん。挑戦者はグラフィックデザイナーの仕事をしている梶山龍穂さんです。

田島さんは学生時代はサッカーに打ち込み、その経験からスポーツに携われる仕事を目指し、栄養面で選手をサポートできる管理栄養士として働くようになったといいます。今でこそ仕事でレシピを考えたり、撮影のために調理を担当したりしていますが、学生時代はあまり料理をする習慣はなく、栄養面よりもボリューム重視の食生活だったと話してくれました。

一方、挑戦者の梶山さんは現在、実家暮らし。食事は基本的にお母さんに頼るかたちになっているとのこと。「毎日、朝ごはんは食べている?」との田島さんの質問に、「ほとんど食べていません…。でもお腹が空くので、会社でお菓子を食べちゃいます」と、心配になる回答。

脳や身体を目覚めさせ、午前中の集中力にも関わってくる朝食の大切さを田島さんから教わり、「やっぱり食べた方がいいですね…」とまずは食事の大切さを学んだ梶山さん。今回は料理をはじめ、食生活全体にも興味を持ってもらえそうです。

いざ!「大豆とひき肉のドライカレー」に挑戦!

今回挑戦するのは、包丁を使わず、さらに5分程度で作れてしまう「大豆とひき肉のドライカレー」。材料をフライパンで炒めるだけでできるので、初心者にはもってこいの簡単さです。まずは材料を揃えて、フライパンも準備OK。分量をはかるところからスタートです。

田島:「カレー缶の開け方って分かる?」

梶山:「これは分かりますよ!銀のフィルムみたいなのを破るんですよね!」

といったやり取りの後、大さじ1のすり切りの方法を実践。初心者にしてはしっかりした手つきで正確に分量をはかる様子に、田島さんから「すごい!いいね」の声かけがありました。

すべての材料の分量がはかれたところで、いよいよ調理スタートです。ガスに火を着け、ひき肉を投入。続いてにんにくとしょうがチューブを入れる段階でちょっと躊躇したのが「少々」の見極め。

梶山:「少々って、どのくらいなのか、よく分からないですね。自分的な『少々』でいいのかな…」

田島:「梶山くんが思う『少々』を入れてみていいよ」

ということで、梶山さんは、にんにくチューブとしょうがチューブを割と大胆にぎゅっと押してフライパンに投入。「おぉ!けっこう入れるね!」という田島さんのコメントに「大丈夫かな」と言いながら調理を続行。ただその不安なコメントとは裏腹に、スタジオにはおいしそうな香りが広がってきました。

その後は軽快にヘラを動かしてひき肉、ミックスビーンズとベジタブル、そして調味料を投入して炒め、あっという間にドライカレーは完成。「え?もう終わりですか?」と作っている本人も驚くほどのスピードでできあがりました。

自分で作った料理を実食!

お皿にごはんとドライカレーをよそい、梶山さんが大好きだというゆで卵もトッピング。料理を作る経験だけでなく、作った料理を器によそい、誰かに食べてもらうのもほぼ経験がないという梶山さん。ぎこちない手つきながら、きれいに盛り付けができました。

そして待ちに待った実食タイム。田島さんと一緒に「いただきます!」のあいさつで早速食べ始めました。

田島:「うん!おいしい!にんにくとしょうがの『少々』がちょっと大丈夫かなと心配だったけど、全然問題なかったね」

梶山:「おいしいです。材料を入れて炒めただけだけど、すごくおいしいし、これなら失敗しないと思います。しかも栄養もバッチリっていうのがいいですね」

元気に日々を過ごすことができる若年層にとって、健康はあまり意識しないものですが、「例えば、料理を作ることで今までよりも少しでも「食」に対して興味を持ったり、それにより自分の健康にも興味を向けるきっかけになればいいですね」と田島さん。

「一人暮らしも考えているので、そうなったら今日の経験を活かして料理をするようにしたいですね」と梶山さん。

料理の習慣がない人にも、毎日料理を作る人にとっても作りやすいレシピをkenko ISLANDではこれからも紹介していきます。ぜひ参考にしてみてください。

今回のレシピは動画も公開中!

大豆と挽肉のドライカレー
https://www.instagram.com/p/DQcd5GbDLD-

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