活躍中のあの人は、「疲れ」とどう向き合っている?

カラダ 2025/02/07 204 views

 「疲れ」とひと口に言っても、精神的なものから肉体的なものまで実にさまざま。kenko ISLAND69号「疲れ知らずのカラダになる」では、多方面で活躍している平川美香さん、西向幸三さん、田嶋はるさんに「疲れ」にまつわることをインタビューしました。この記事では誌面では紹介しきれなかったエピソードを特別にご紹介します。

平川美香さんのエピソード
「辛い時期を笑いで乗り越え、自分らしいスタイルを確立」

明るいキャラクターが魅力で、テレビやイベントなど県内外で活躍している平川美香さん。チャーミングでいつも元気な印象ですが、心の疲労を感じることもあると言います。
「意外だと思われるかもしれませんが、実は心は結構繊細な一面もあるんです。もっと強くならなきゃいけないというプレッシャーを感じたり、対人関係で悩んで疲れることもあります」と平川さん。特に精神的に辛かったのは、東京での下積み時代だといいます。
「もう10年以上も前のことですが、東京で働きながら歌の仕事をしていたとき、事務所や周囲の人に従姉妹であるHYのいーずー(仲宗根泉さん)とよく比べられることがあり悔しい思いをしましたし、テレビで活躍している彼女の姿をみてすごく落ち込む時期もありました。当時はバイトをしていたけれど、道端に生えている雑草を食べてやり過ごすこともあるほど生活が厳しくて、精神的にも辛かったですね。でもある時、ここまでどん底を味わったのだから、この状況を楽しむにはどうしたら良いかって考えるようになったんです。それから、自分に起きた出来事を笑いのネタにしたり、おじさんの格好をして歌ったりするようになり、仕事が徐々に増えていきました」。
 持ち前の明るさと根気強さで、他にはない自分らしいスタイルを確立した平川さん。彼女が大切にしているのは、“自分の思いをきちんと受け止めること”。
「落ち込む時はとことん落ち込んで、辛い思いを自分自身が受け止めてあげる。とことん泣けば、案外気持ちは切り替えられるものだなって思います」。


平川美香さんのprofile
深みのある歌声が魅力の歌手。OTV「オキナワマイ・ライフ」のMCをはじめ、テレビやイベントなど県内外で活躍中。〈Instagram〉mikabu5919




田嶋はるさんのエピソード
「緊張やプレッシャーに立ち向かった経験が、強さにつながった」

女子キックボクシング、女子ムエタイの元世界チャンピオンである田嶋はるさん。田嶋さんが繰り出すハイキックは、美しいうえに力強く、国内外の対戦相手を圧倒してきました。そんな田嶋さんが最も疲れを感じていたのは、選手時代のこと。「世界戦を控えていた時期は、大学で事務職をしながら朝と夜の2部練をしていたので、常に身体が疲れていました。試合は階級制なので体重を一定範囲でコントロールしなければなりませんから、食事はとりすぎないようにしたり、甘いものが大好きなのですがなるべく控えていましたね。練習後は念入りにストレッチし、湯船に浸かることで身体の疲れを癒していました」。
 そんな田嶋さんは数々の大舞台でのプレッシャーや緊張にどう対処していたのでしょうか。
「デビューしたての頃は試合の1週間前になると緊張で寝られないこともありましたし、プレッシャーも感じていました。ですが、経験を積むうちに、“自分の好きなことをやる機会をもらっているのだから、緊張も楽しまなきゃもったいない”と思うようになったんです。もう一つ、自分を奮い立たせてくれたのは、共にキックボクシングを頑張っていた友人の存在でした。彼女を病気で亡くしたことはとても耐え難いことでしたが、彼女にチャンピオンベルトを持ち帰るために必死で練習し、チャンピオンの座を勝ち取った時はとても嬉しかったですね」。

田嶋はるさんのprofile
女子キックボクシング、女子ムエタイの元世界チャンピオン。那覇市のパーソナルジム「Cross×Line」でトレーナーとして活動中。〈Instagram〉taji_maharu



西向幸三さんのエピソード
「“想定外”をつくるのが楽しい。それがラジオのおもしろさのひとつ」

人気のラジオ番組「ゴールデンアワー」の局長を務めるラジオディレクター・パーソナリティの西向幸三さん。放送中ノンストップで軽快なトークを繰り広げる西向さんは、スポーツ観戦や読書、映画、アニメ、古典音楽などと幅広い趣味を持っているそう。
「生放送中は脳をフル回転させてハイテンションで喋っているので、放送を終えるとどっと疲れを感じますが、こういった趣味を楽しむことで気分転換にもなっていますね。時々、毎日こんなに喋り続けていると持っている知識が果ててスカスカになっちゃうんじゃないかと怖くなることがあります。正直インプットしなければいけないというプレッシャーも少しありますね。だから好奇心を持っていろんなことに触れるようにしていますし、得たこと全てが仕事につながっています」と話す西向さん。そんな西向さんは意外にも緊張することもあると言います。
「緊張?それはしますよ。緊張感ってね、ある程度持っていないと失敗すると思います。例えばワイドの生放送番組って、想定外のハプニングが起こったときが一番おもしろい。その瞬間をどうおもしろくするかが肝心ですから、緊張感を持ってプロとして挑むことで臨機応変に動けます。そのための準備は常にしっかりしていますし、緊張感がなければクオリティーの高いものは生まれないと思うんです。ただね、人間ですから誰だって失敗することもあります。失敗したらそれを活かして次どうするかを考えることが大事だと思う。僕もこれまでたくさん失敗してきました。思うのは、人間って別に大したものではなくて、生まれたら死ぬだけなんです。だからやりたいことをやるのがいいと思う。もちろん人とぶつかることや、ストレス、トラブルもいっぱいあるだろうけれど、 大体のことはなんとかなりますから」。

西向幸三さんのprofile
エフエム沖縄の人気番組を担当するラジオディレクター・パーソナリティ。
「ゴールデンアワー」平日14時〜、「真栄原ミュージック」毎週木曜21時〜
〈X〉golden_kyokucho



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