肌を健やかに保つ、スキンケアのコツ

カラダ 2025/03/06 139 views

 ニキビやカサカサ、赤み、かゆみなど、肌にまつわるちょっとしたトラブルは誰しも少なからず経験したことがあるかもしれません。ですが、肌トラブルが起こらないようにするための正しいケアについては案外知らないことも多いもの。この記事では、kenko ISLAND最新号「肌にいいこと悪いこと」と関連して、スキンケアをする際に知っておきたいこと、注意したいことを紹介します。
(監修:琉球大学病院 皮膚科医 山口さやか先生)

洗顔料や化粧落とし、これって実際どうなの?

「肌に付着した汚れをきちんと落とすことは、肌の健康にとってもちろん大切ですが、その際に注意したいのは “摩擦”や“洗いすぎ”です」と話すのは、琉球大学病院の皮膚科医 山口さやか先生。実は山口先生のもとを訪れる患者さんの中には、洗い過ぎによる肌への刺激からトラブルを引き起こしてしまったケースも少なくないのだといいます。
 基本的に、肌にとって摩擦はNG。肌は部位によっては0.2ミリほどととても薄いため、洗う際に手でこすることで傷つき、バリア機能が弱まってしまいます。それによって赤みや乾燥、かゆみなどを引き起こしてしまうのです。なので、摩擦を最大限に阻止することが健やか肌への近道。洗顔や化粧落としに関連する以下のスキンケアは、特徴を理解して使い方に気をつけましょう。

・スクラブ入り洗顔料

 スクラブ入り洗顔料は汚れを落とす力が高いのが利点。ですが、スクラブ特有のザラザラとしたテクスチャーは、洗う際に肌が擦れて傷つき、乾燥を招いてしまう場合があります。洗顔後に肌がつっぱる感覚がある、または極度に乾燥を感じる場合は、肌にとっては洗顔料の刺激が強い可能性が。肌の状態に合わせ、使用する回数をこれまでより控えるなど、使用頻度に注意しましょう。

・拭き取りタイプの化粧落とし

 クレンジング力が高く、シートでさっと拭き取るだけで化粧を落とせる点が長所。忙しい時に重宝している人も多いかもしれません。ただし、拭き取る際に肌を摩擦し傷つける恐れも。健やかな肌をキープするという視点では、毎日日常的に使用する場合は肌に負担がかかりやすいので、使う頻度が多い人は、今よりも減らした方が良いかもしれません。

・オイルクレンジング

 肌にオイルを馴染ませることで落ちにくい化粧を浮かせて落とすことができるのがオイルクレンジングの特徴。洗浄力が高いので、濃いメイクを落とす際に使うという人もいるかもしれませんが、肌表面を保護している皮膚のうるおい成分まで洗い流してしまう可能性があります。また、感触がなめらかなため滑りやすく、人によっては指先に力が入ったり、こすったりしやすい点にはご注意を。使うタイミングを、ポイントメイクや濃いメイクをした時だけにするなど、クレンジング剤を使い分けるのもおすすめです。


 いかがでしたか?実はスキンケアで肌に一番負担がかかりやすいのがクレンジング。先にお伝えしたように、洗浄力が高いものは肌の潤いも洗い流してしまう可能性があります。普段から、メイクをする人は、洗浄力の低いクレンジング剤を使用したり、洗顔で落とせる程度のメイクで済ませることも肌への負担を軽減できます。また、日本人は外国人と比べて綺麗好きと言われていますが、洗い過ぎの傾向もあると山口先生は言います。「ダブル洗顔などは肌に負担をかけてしまうため、肌に優しい洗顔料で優しく洗い、汚れは落ちる分だけ落とせばOKという感覚で大丈夫です」。

肌に塗ったものは皮膚の内側に浸透する!?

 ちまたには色々なスキンケア商品や化粧品が溢れていますが、肌に塗ったものが内側に浸透して身体に吸収されるかというと、そうではありません。そもそも皮膚には防御壁として外部の刺激から身体を守る役割があり、紫外線や病原菌、化学物質など、外部の異物が皮膚を通して簡単に身体の内側に入ってしまわないような仕組みになっています。ちなみに、化粧水が浸透するのは、肌の表面を構成する0.01〜0.03ミリほどの角質層まで。角質層より奥の層に浸透することは基本的にはなく、塗ることで「角質層の奥まで浸透する」とうたう広告は薬事法で禁止されています。ただし、保湿しても意味がないということではありません。化粧水や保湿剤を塗るのは、肌表面の乾燥を防ぐため。洗顔後などに肌のつっぱり感のある人は乾燥している可能性が高いので、しっかりと保湿しましょう。
 なお、皮膚科で処方されるようなトラブルを対処するための塗り薬はスキンケア商品とは違い、特殊な技術で角質層の奥の細胞に浸透するようにとても小さな粒子でつくられているので、しっかりとトラブルを治してくれる効果があるのです。


――――――――――――――――――――――――――――――――
監修    
琉球大学大学院医学研究科・皮膚科
山口さやか 先生

日々、さまざまな皮膚疾患の治療に携わる。専門は皮膚感染症。特に、アタマジラミの治療・開発に力を入れている。
https://hifuka.skr.u-ryukyu.ac.jp/

■こちらの記事もおすすめ!■

・沖縄に多い、アタマジラミに要注意!
食物アレルギーのはじまりは皮膚から!?

公式マスコット「わお」って?