太りにくいヒントは体内時計!
カラダ 2026/02/03 10 views
ヒトのカラダには「体内時計」があることを知っていますか?この体内時計は日々の生活リズムを作るだけではなく、肥満や生活習慣病に関わっていることが近年の研究で明らかになってきました。体内時計を意識した太りにくい生活スタイルについて、食事の内容や食べる時間を研究する「時間栄養学」の第一人者、柴田重信先生に監修いただきました。
体内時計とは?

朝に目が覚め、夜に眠くなるなどの人間の行動パターンをコントロールしているのは、ズバリ「体内時計」です。体内時計には、主時計と副時計があり、主時計は脳内に、副時計は内臓や骨をはじめとするカラダの様々な組織にあります。
体内時計は1日約24.5時間の周期で動いており、これを人々の生活周期である1日24時間に合わせるために、0.5時間分を時計を早めて日々リセットする必要があります。
それぞれの体内時計をリセットする際に押さえておきたいポイントは2つ。
主時計:「朝の光」
副時計:「朝食」
主時計は目を通して入ってくる「朝の光」を受けて朝だと認識し、時計をリセットします。一方、副時計は「朝食」をとることで時計をリセットさせます。
体内時計はどうやって調整する?

前述の通り、体内時計のリセットには「朝の光」と「朝食」がポイントとなりますが、カラダの中でどのような調整が行われているのでしょうか。
主時計のリセットに必要な朝の光は、睡眠ホルモンである「メラトニン」の分泌を抑制し、カラダを活動できる状態にしてくれます。また、日中に明るい光を浴びて過ごすことで、夜間のメラトニンの分泌が増加したという研究報告もあります。
一方、副時計は朝食をとることでリセットされますが、これは食事をすることで血糖値が上昇し、それを下げるためのホルモンである「インスリン」の働きが役立っています。インスリンはカラダを動かすためのブドウ糖の吸収を促すことで、内臓などを活動できる状態にしてくれるので、朝食時にインスリンを分泌しやすい炭水化物のご飯やパンなどを食べると、体内組織の活動が活発になり、同時に副時計のリセットに大いに役立つのです。
また、副時計をリセットするときに大切なのは主時計との兼ね合いです。
例えば朝日を浴びたけれど、朝食を食べないでいると主時計だけがリセットされ、主時計と副時計の間に時差が発生します。この状態では、副時計がリセットされていないので体内組織の動きに遅れが出てしまいます。朝食を食べずに出社すると頭がぼーっとしているのは、正に主時計と副時計に時差が生まれている状態です。朝食をとっていてもバランスや質が悪いと、同じような状態になることもあります。
こうした時差ボケをなくすには、朝食を必ずとることが大切なのはもちろん、朝食をとる時間にも配慮を。朝食は朝起きてすぐに食べることが理想的です。起床後すぐには食べられないという人も、1時間以内にとるようにしましょう。
そして、夕食をとる時間も注意が必要です。
夕食が就寝直前などになると、夕食で得たエネルギーを消費する前に寝てしまい、余分なエネルギーが体内に蓄積されてしまいます。また夕食をとって上昇した血糖値が下がる前に寝てしまうと、高血糖の状態が続くことになり糖尿病などの生活習慣病につながることも。さらに、夕食が遅くなると朝になってもお腹が空かず、朝食の時間がずれがちになります。翌日、朝食をしっかりとるために、夕食は就寝の2〜3時間前までにとることが望ましいのですが、残業やシフト制のお仕事などで実現させるのはなかなか難しいという人が多いでしょう。
そんなときは夕食を2回に分けて食べる「分食」がおすすめです。
やり方はとても簡単。まず16〜17時にカロリーの高いおにぎりなど主食系のものを食べます。これが1回目の夕食。そして帰宅後など遅い時間に、2回目の夕食として血糖値を上昇させにくいおかずや副菜系のものだけを食べます。こうすることで、就寝までにエネルギーを消化し、血糖値の上昇も抑えることができます。 まずは朝の光を浴び、朝食をしっかりとることから太りにくいカラダづくりは始まります。体内時計を意識して、日頃の生活を見直してみませんか?

監修
柴田 重信 先生
広島大学 医系科学研究科 特命教授/早稲田大学 名誉教授/愛国学園短大 特任教授/日本時間栄養学会 顧問
薬・食・栄養・運動のタイミングと肥満との関係などを幅広く研究。最近は時間栄養の社会実装に力を入れている。