インナービューティーにおすすめの食品5選

毎日の食事や生活習慣が、肌や心のコンディションを左右していることを知っていますか?外見を磨くだけでなく、内側から輝く美しさを育む「インナービューティー(内面美容)」が注目されています。心身ともに健康で生き生きとした輝きを放つために、おすすめの食べ物をインナービューティープランナーの津波真澄さんに教えていただきました。

そもそもインナービューティーとは?

インナービューティーとは、単に見た目の美しさだけではなく、食事や生活習慣を通してからだの内側、特に腸を整え、ハリのある肌や若々しい血液から放たれる健康的な輝きを目指すことです。

また、“心の輝き”も大切な要素。毎日を楽しみながら自分を大切にして暮らしている人は、外見以上の輝きを放ちます。

「なんかあの人輝いているよね」「そばにいると元気になる」と言われる人は、心の状態が整っている証拠。心身ともに健康で美しく、人を惹きつける魅力を持つ人こそが、インナービューティーの目指す姿です。

インナービューティーで重要なこと

内側から輝くためには、単に食事に気を遣うだけでなく、心身を健やかに保つ生活習慣が欠かせません。そこで注目したいのが、腸をきれいに整えることです。

腸は食べ物を消化・吸収するだけでなく、“第二の脳”とも呼ばれ、脳の次に神経細胞が集まっている場所でもあります。幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの約9割は腸で作られるといわれ、腸内環境が整うと自律神経やホルモンのバランスも安定し、自然とポジティブな気持ちが生まれるのだそうです。

からだも心も健やかに保つためには、腸を元気にすることが重要。そのため、食物繊維と発酵食品が重要なキーワードとなります。食物繊維は善玉菌のエサとなり、発酵食品は腸内環境を整えて悪玉菌の増殖を抑えるため、どちらも腸の健康には欠かせません。

特にぬか漬けは、植物性乳酸菌と野菜の食物繊維が同時に摂取できるのでおすすめです。手軽に日常的に取り入れられるので、自家製のぬか漬けを常備しておくとさらに良いでしょう。

最近は、パックに入ったぬか床に野菜を入れ一晩冷蔵庫に置くだけで、ぬか漬けが楽しめる便利なアイテムも売られているので、気軽に始められますよ。

毎日の食事で腸を整えることこそが、インナービューティーの第一歩です。

インナービューティーにおすすめの食品5選

津波さんおすすめの、沖縄の暮らしに合ったインナービューティーに効果的な食品を紹介します。どれも日常の食卓に取り入れやすく、心身を内側から整えてくれます。

●納豆
日本の伝統的な発酵食品、納豆。納豆菌が腸内の善玉菌を増やし悪玉菌の繁殖を抑えるため、腸内フローラが整い、便通の改善や肌荒れ予防、代謝アップにつながります。さらに、血液をサラサラにする納豆キナーゼ、肌のターンオーバーを促進するビタミンB2・B6、抗酸化作用がある大豆イソフラボンやサポニンなど、インナービューティーにぴったりの成分が豊富に含まれています。納豆を一日一パック食事にプラスするだけで、手軽に“腸からきれい”を目指せます。

●もずく
沖縄で豊富に採れるもずくは、水溶性食物繊維が豊富で、腸内環境を整える代表的な食材です。便をやわらかくしてくれるため、腸活にぴったり。また、水溶性食物繊維は血糖値の急激な上昇を抑える働きもあり、食事の最初に食べるのがおすすめです。

●もろみ酢
もろみ酢は、沖縄が誇る泡盛りの副産物としてできる、素晴らしい発酵食品です。クエン酸とアミノ酸(必須アミノ酸9種すべてと、その他のアミノ酸9~10種類)が豊富に含まれているため、疲労回復や代謝促進、美肌効果などが期待できます。1日30mlほどを目安に、炭酸割りやスムージーに入れるなどして飲むと美味しくいただけます。アミノ酸は旨味の素でもあるため、もずくにかけたりとお酢の代わりに料理に使うのもおすすめです。酒造所によって風味が異なるので、いろいろ試してお気に入りのもろみ酢を見つけてみてください。

●シークワーサー
柑橘類はビタミンCが豊富ですが、シークワーサーにはノビレチンやタンゲレチンといった抗酸化・抗炎症成分も含まれています。ビタミンCはコラーゲン生成を助けるため、肌のハリやトーンアップも期待できます。もろみ酢をかけたもずくにシークワーサー果汁を加えると、最強のインナービューティーフードになります。皮に最も多く栄養が含まれているので、スムージーを作る場合、強力なブレンダーであれば丸ごと入れ、皮も種も使うと余すことなく栄養を摂取できます。また、皮は枕元に置いたり、泡盛に漬けてルームスプレー代わりにすれば、香りのリラックス効果も得られ、“心の美しさ”にも働きかけてくれます。青切りは8~9月、完熟は1月頃に出回りますが、ビンやペットボトルに入った100%果汁は年中手に入り保存もしやすいので、ぜひ使ってみてください。

●緑黄色野菜
緑黄色野菜もインナービューティーの強い味方です。色が濃い野菜には、抗酸化作用の高いカロテノイドやクロロフィルが多く含まれるため、抗酸化作用が強く、細胞の酸化ストレスを和らげエイジングケアにもつながります。鉄分が豊富な小松菜、β-カロテンが豊富なニンジンは、毎日の食事でも摂りやすい野菜です。それに加えて、旬の島野菜も意識して食べるといいでしょう。老廃物の排出を促すフーチーバー、鉄分が豊富で昔から「血の薬」と呼ばれるハンダマ、食物繊維とアントシアニンがたっぷり含まれた紅イモなどがおすすめです。地元の旬の野菜は栄養価が高く、そこに暮らす人の体質や気候にも合うため、“土地のものを食べる”ことがインナービューティーの基本ともいえます。

「20代、30代からインナービューティーを意識した食事をしていれば、10年後、20年後に大きな差が出ます」と津波さん。すべてを完璧にする必要はなく、週末だけでも、“腸をいたわる食事”を取り入れてみることが大切です。


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監修
津波真澄さん
発酵美〜ガン料理デザイナー。インナービューティープランナー、野菜ソムリエ上級プロ、アスリートフードマイスター1級他、食に関する資格多数。「腸から健康になる」「野菜をもっと食卓に」をコンセプトに、国内外で活動中。
〈公式ブログ〉https://ameblo.jp/masumit/


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老けない人は知っている、“糖化ブレーキ”習慣クイズ!

「老化」は避けられないものだけど、人によってその程度やスピードには差があるもの。その差を引き起こす要因の一つが「糖化」です。この記事では、kenko ISLAND71号「糖化と老化」と関連して、老けない人は知っている、糖化対策につながる知識をクイズ形式で紹介します。
(監修:昭和医科大学医学部教授 山岸昌一先生)

そもそも糖化とは

「糖化」とは、体内で使いきれずに余った糖がタンパク質とくっつき、タンパク質の本来の働きを奪うこと。糖化されたタンパク質は最終的に老化物質「AGE」となり身体のあちこちに蓄積することで、肌を老化させたり、関節炎を悪化させたり、薄毛の原因となるなど、さまざまな症状を引き起こします。

Q1. 糖化を促してしまう飲み物は、次のうちどれ?

①炭酸水
②ミネラルウォーター
③甘い飲み物

正解は③。ジュースや甘い炭酸飲料、果実飲料などの甘い飲み物は糖分が高く、急速に糖化を進めてしまうものと考えましょう。特に、ジュースに多く含まれている「ブドウ糖果糖液糖」や「果糖ブドウ糖液糖」といった異性化糖は、ブドウ糖の10倍もAGEを発生させやすいことがわかっています。また、カロリーゼロと表記されている缶コーヒーやジュースには、人工甘味料が使われていることもしばしば。これらは砂糖の数百倍の甘さがあり、血糖値の上昇には関与しませんが、カロリーがないからといってたくさん飲むことで、甘みに対して鈍感になり、より甘いものを好むようになるという報告もあります。甘いものをよく飲む、食べる習慣は、糖尿病になりやすいだけでなく、糖化を進めてしまうのでほどほどにしましょう。

Q2. 糖化予防に大切なのは、以下のうちどれ?

①頭の洗いすぎを防ぐ
②水の飲み過ぎを防ぐ
③睡眠不足を防ぐ

→正解は③。アメリカの研究によると、平均睡眠時間が6時間以下の人は、7〜8時間の人と比べ糖尿病になる確率が1.66倍高いことがわかっています。睡眠不足の状態では、交感神経が過剰に反応し、血糖値を上げやすくするホルモンが分泌されるほか、疲労が回復せず、高ストレス状態になり、昼間の食欲も亢進することで体内でAGEが増える原因に。
 糖化を防ぐには、睡眠不足を防ぐこと、良質な睡眠をとることがカギ。山岸先生によると、「人は眠りにつくときに深部体温を下げることで眠りが深くなるため、寝る部屋の温度は少し寒く感じる程度がおすすめです。また、就寝2時間ほど前には入浴を済ませ、身体を温めて熱を放出しやすい状態にしてから眠りにつくことや、就寝2時間前以降は、スマホやテレビなどの強い光を浴びないことが大事です」。

Q3. 実はAGEを増やしてしまう調理グッズは次のうちどれ?

①電子レンジ
②蒸し器
③炊飯器

→正解は①。
老化物質であるAGEは食品中にも含まれており、食品の中の糖とタンパク質の分子がぶつかり合うことで発生。加熱によっても作られてしまいます。そのため、電子レンジ加熱もAGEが作られやすいほか、電子レンジで加熱すると食品中のブドウ糖の構造が変化し、タンパク質とくっつきやすい(糖化されやすい)状態になることも分かっています。
そうはいっても、電子レンジは生活に欠かせない電化製品ですから、用途を使い分けてうまく糖化を防ぐことが大事です。山岸先生によると、「例えば、500〜1000ワット程度の出力で長時間調理するような使い方は避けること。加熱時間20分は長すぎますので、できるだけ短時間で済ませましょう」とのこと。
 また、調理の際は、水分量の高い調理法(蒸す、茹でる)を選ぶのがおすすめ。水分が糖とタンパク質が反応するのを防いでくれます。反対に、揚げ物をはじめとした油を使う料理は、AGEを多く発生させます。

Q4.AGE蓄積が影響すると言われる病気は次のうちどれ?

①歯周病
②うつ
③不妊・男性更年期障害

→正解は全部。ちょっといじわるな問題でしたが、これらはAGE蓄積も関係することが研究で分かっています。歯周病は細菌によって起こる歯周組織の炎症のこと。血中のAGEレベルが高い糖尿病患者ほど歯周病が重症化することや、一部の歯周病菌はAGEの産生を促すことが報告されています。
うつは、複数の研究で、AGEリーダー(AGEを簡単に測定できる医療機器のこと)で計測される皮膚のAGE蓄積量が高い人ほど、うつ症状を持ち、うつ病のリスクが高まることが報告されています。また、AGEが高い人ほど不妊や流産の傾向が高いことや、男性の更年期障害にも関わっていると考えられています。

Q5.お母さんのAGEは胎児に影響する。◯か×か?

→正解は◯。
AGEが高い母親から生まれた生後0歳の子どものAGEを調べると、母子のAGEには強い相関関係があることが分かっており、その理由は胎盤を通じてAGEが赤ちゃんに移行しているからだと考えられています。それだけでなく、女性は生まれてくる時点で一生分の排卵する卵子を卵巣に抱えて生まれてくるので、卵巣や卵子の状態も胎児の頃の母親の栄養状態が影響していると言えます。
また、山岸先生たちの研究によると、小学校6年生以下の子どもとその母親のAGE値は相関関係にあることが分かっています。自らの食生活が一緒に暮らす子どもや孫などの次の世代にも影響する可能性が十分にあることも配慮することが大事です。


山岸 昌一先生

昭和医科大学医学部教授、医学博士。30年以上前から老化の原因物質「AGE」に着目し、研究を続けている糖化研究の第一人者。糖化や老化に関する著書も多数執筆。

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